アレルギー性鼻炎・花粉症の原因と治療
アレルギー性鼻炎・花粉症は、鼻の中の粘膜で花粉などのアレルゲンとIgE抗体が反応することで引き起こされます。I型(いちがた)アレルギーに分類される病気の一つです。
症状はくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状が特徴です。日常生活の質(QOL)に大きな影響を与えます。アレルギー性鼻炎とは花粉症と通年性アレルギー性鼻炎をあわせた病名となっています。
- 通年性アレルギー性鼻炎:1年を通じたアレルギー症状。ダニやハウスダスト等が原因。
- 季節性アレルギー性鼻炎(花粉症): 特定の季節のみの症状。スギ、ヒノキ、カモガヤなどの花粉が原因。
診断について
症状に加えて血液検査(特異的IgE抗体検査)、鼻汁好酸球数検査、鼻粘膜の観察が重要です。また、副鼻腔炎や鼻茸と区別することが求められます。
当院でも 数滴の血液で当日中に結果がでる簡易検査 や より精密なマルチアレルゲン検査をおこなっています。後述の通りアレルギーの一番よい対策は アレルゲンの除去ですので、検査を行うことをおすすめします。
治療について
治療には症状を抑えることが目的の対症治療と、花粉症そのものの治癒を目指す根治治療があります。また、症状が出る前から予防的行う治療もあります。
治療は主に以下の6つに分類されます:
- 抗原の除去と回避: 掃除、マスクや防ダニ布団などの使用。
- 薬物療法: 抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、鼻噴霧用ステロイドなど。症状が軽ければ1種類、重ければ2種3種と複数種類の薬剤が処方されます。
- 免疫療法: 舌下免疫療法(スギやダニに有効)などが挙げられます。
- 手術療法: 下鼻甲介粘膜のレーザー焼灼治療や重症例では下鼻甲介の切除や後鼻神経切断が行われることもあります。
- 抗体療法:最重症例では抗体の皮下注射による治療が選択される場合があります。
- 補完療法: プロバイオティクスや食事療法が補助的に用いられています。
症状がひどくなると炎症を抑えるのが難しくなる傾向があるので、できるだけ早期に当院に来院いただき、相談をさせてください。